Working Monograph · Institutional Investment Series

アセットオーナーの方法論

委ね、監督し、説明する者のために — 全29篇
三篇の統合文書(序章・本章・終章)が枠を成し、二巻の本編が両翼を成し、別冊と22篇の別紙——引く八紙(資料)と考える十四紙(論考)——が支える。各篇は独立に読めるが、一冊の本として設計されている。
仕事は委ねられる。責任は委ねられない。
書架は、まだほとんど空いている。その空白を埋めるために書かれた文書を、六つの棚に並べる。

最初の一列 方法論の本体

委任する側の方法論、その全体。統合序章から順に——両編・統合本章・統合終章・Q&Aへ。
  1. 01前書き合本Ⅰ書架の案内この本の、開き方——幹と弁の地図・二十八篇の一覧・読者別の最初の一列・確かめ方の道具
  2. 02統合序章合本Ⅰその責務は、思うより遥かに大きい入口——アセットオーナーという職業、四つの命題、そして四つの読み方
  3. 03本編 Ⅰ オルタナティブ編合本Ⅰ見えないリスクを、見えるようにするオルタナティブ投資のリスク管理とマネージャー監督の方法論デスムージング・PME・ペーシング・ルックスルー——私募資産の計測と監督
  4. 04本編 Ⅱ 伝統資産編合本Ⅰ見えているリスクを、統治する伝統資産のリスク管理とマネージャー監督の方法論リスク寄与度・ファクター・ベンチマーク統治——配分の言語を、資金からリスクへ
  5. 05統合本章合本Ⅰ開示から対話へ説明する者の方法論五つの聴衆と、第六の聴衆。正統性という資本の管理——第三の動詞
  6. 06統合終章合本Ⅰ二冊の後で、同じ頂に出た理由出口——認知資源の予算、四つの時計、90日からの工程表
  7. 07別冊 Q&A合本Ⅰ三十の問い実務家のためのQ&A率直な疑問に、率直に答える——本編への索引を兼ねる

委ねるという関係 統治・知識・誘因・職能

委ねる側の統治能力・知識格差・報酬の誘因・議決権と職能——委任という関係の解剖。
  1. 08論考別紙行使できない株主たち議決権と、委任の空洞化 — 上場と私募の対系列相反・費用・助言会社集中、GPIF型設計の国際比較、そして行使できないLP——三断面を対で読む
  2. 09論考別紙報酬という憲法オルタナティブ・フィーの解剖学三層のフィー・スタック、キャッチアップの算術、製造機の視点——再計算できない報酬は、監督されていない報酬である
  3. 10論考別紙翻訳者はどこにいるか専門知と統治のあいだの、名前のない職能知らない者は、尋ねない——空白の六つの機構・学問の五つの命名・事故調査が裁いた翻訳の失敗・AIの一般化が変える価値、そして代理の問いの三形
  4. 11論考別紙非対称の年代記金融における知識格差の圧縮史と、AIの波AIは売り手と買い手の知識非対称を激減させるのか——四層の分解と六つの波の年代記。非対称は消えない、住所を変えるだけである。軍拡は循環し、制度は沈殿する
  5. 12論考別紙裁可者の育て方AI時代の統治能力論 — 無限後退の打ち切り・贋作防御・裁可の梯子AIは、確かめる連鎖をどこまでも安く延ばす。しかし連鎖を終わらせる者は、いまも一人の自然人である——統治能力の解剖・見せかけの統治の防御・見識の分解・裁可者の製造と選抜

測る技術、測らせる力 参照点・ファクター・数式・指数

何で測るかは技術の問い。誰が物差しを握るかは、統治の問い。
  1. 13資料別紙主要指数要覧カバレッジ・メソドロジー・思想 — 物差しを選ぶ者のための比較資料指数は中立な物差しではない——株式・債券・コモディティ・オルタナの主要指数を、五つの軸と思想の地図で引く
  2. 14論考別紙参照点の統治ベンチマーク・FTP・負債割引率は、同じ問いの三つの写像であるベンチマークの選定と設計に、リスク管理部門はどう関わるべきか——二層分離・カスタムの階段・職能の存在論
  3. 15論考別紙合本Ⅰ数式の読み方十五式の解剖と、導出と決定 — 剥がす式・訳す式・決める式剥がす式と訳す式、そして決める式——16年の正体・逐次検定・リスクの公理・制約=縮小の定理・条項のオプション価値。事後の裁量を事前の規律に変える数理
  4. 16論考別紙ファクターという言語TPAの認識論的基礎 — 平均の学問・包装紙・台帳の統治ファクターの言語は、委任のあるところにだけ自生する——台帳は真理ではなく規約であり、TPAの前提は張れることである
  5. 17論考別紙持たずに持つアセットオーナーとデリバティブの統治 — 束の解体・強制されない権利・合成の弁明現物は三部品の束であり、デリバティブは束を解く契約である——問いは「使うか」ではなく「どの部品なら手放してよいか」。手放してはならない唯一の部品は、強制されない権利である
  6. 18論考別紙借りずに借りるアセットオーナーと通貨の統治 — 二つの名前・見えない借金・中立点の決定フォワードでドルを売る者は、構造上、ドルを借りている——為替ヘッジは結果の名、外貨調達は構造の名。ヘッジの水準に正解はない。あるのは、中立点を誰が決め、変更を何が律するかという統治の巧拙だけである
  7. 19論考別紙貸さずに貸すアセットオーナーと保管の統治 — 委任されていない委任・担保の環・リコールの体制配分表のどこにも「貸し手」の行はない。それでも保管された資産は貸し出され、担保は再投資され、権利は移転している——付随収益は、委任されていない委任である。検収できない収益は、捨てるか、検収様式を作って買い戻すか——二つに一つである
  8. 20論考別紙テールは誰のものかクレジット運用の評価と、検証の非対称 — 来なかった危機の帳簿・イールドハントの均衡・宣言との一致備えの費用は毎期の帳簿に載る。備えの便益は、来なかった危機の中にしか載らない——だから評価は成績に収斂し、テールは無主物になる。テールの所有権は、オーナーに帰属する。評価の対象は、成績ではなく、宣言との一致である

失敗という教材 壊れ方の理論と、実例の総覧

失敗を——他者のものも自分のものも——制度の改良に変換する習慣のために。
  1. 21資料別紙失敗事例総覧二十八の事例を、年表・六類型・五つの対で引く——授業料の明細書の索引
  2. 22論考別紙壊れ方の科学安全工学からの輸入学 — 公正文化・報告制度・境界への漂流失敗の科学が半世紀かけて到達した最大の知見は、事故の計算法ではなく、罰の下で真実を語らせる制度の作り方である——三層の照合・過失の三分類・ASRSの六部品・漂流の速度計・四つの禁輸品

書架の作り方 製法・検証・解題

方法論は、公開され、批判に晒されて初めて方法論になる——この書架自身の製法と、検証の記録。
  1. 23資料別紙文献解題約百三十五点の文献に一行解題——「最初の十本」の読む順つき
  2. 24資料別紙本書の作り方大規模言語モデルと制作基盤の図説 — 工程・検査・配信・版本書は、本書が論じた方法で書かれた——五層の品質管理と二重配信の完全開示
  3. 25論考別紙書架はなぜ空だったのか総合の費用と、検証の値段 — 学際性の需要と供給学際性は方針ではなく演繹である——検証の学問は委任のあるところに分野ごとに自生し、総合の費用がそれを禁じ、費用の崩落が書架を埋めた。同じ崩落は偽物も安くしたから、稀少財は到達から検証へ移った
  4. 26資料別紙検証の記録確認の台帳から — 主張・照合日・判定・一次資料URLなき確認は、確認と数えない——本書の主張がどこで検証され、何が誤りでどう訂正されたかを、一次資料のURLごと公開する。検証可能性の生産の、自己例証の最後の一枚

机の上の三点 要覧・用語・索引

読む紙ではなく、机上に常備する紙。
  1. 27資料別紙海外アセットオーナー機関要覧十八機関の統治・運用・開示を、肖像と統一様式で引く
  2. 28資料別紙合本Ⅰ日英用語集約八十語の訳語の正典——音写主義と三つの例外、そして本書の造語
  3. 29資料別紙合本Ⅰ総索引事項・人名・機関・事例 — 全篇を引くための四つの入口引けない書物は、参照されない——見出し語約二百三十から、全篇の議論箇所への最短経路(巻末固定)
三つの入口 初めての方は「最初の一列」を上から順に。実務の課題からは、テーマの棚へ。調べものは「机の上の三点」へ。書架全体の地図と読者別の入口は〔前書き——書架の案内〕に、幹の詳しい歩き方(対応章マップ・四つの道)は統合序章Ⅷにある。
PDF合本Ⅰ一冊で読む — 本編と主要別紙A4 364頁 · 7.5MB統合序章・両編・統合本章/終章・三十の問いに、数式の読み方・用語集・総索引を綴じた書籍組み。表紙・総目次(開始頁つき)・通しノンブル。内容は本ページの各篇と同一。PDF合本Ⅱ一冊で読む — 別紙集A4 425頁 · 7.7MB機関要覧・失敗事例総覧・文献解題・主要指数要覧・本書の作り方・検証の記録と、論考別紙(参照点・議決権・報酬・ファクター・翻訳者・書架・非対称・壊れ方・裁可者)を綴じた第二分冊。